全国はたらく障がい者ユニオン結成の趣旨
執行委員長 窪田 巧
この会を立ち上げるにあたっての結成の趣旨を申し上げます。
近年、「バリアフリー」「ノーマライゼーション」などのカタカナ語がごく自然に市民権を得られるようになりました。しかし、従来のカタカナ語がそうであったように曖昧な形のままで我々日本人の身体に浸透しております。このカタカナ語を口にすれば、それでその意味を解したように、想うのが日本語の不思議な面であります。
その当事者である障害を持った私たちが、いざ職を求めようとすると、または今まで職に就いていたところに、障害が生じたとき、現実に引き戻されてしまいます。障害者を雇用することは理解できる、しかし、自分のところでは雇うつもりはない。福祉の理念は当然である、しかし、同僚として障害者と働くのは困る、と。「そしてダンマリを決め込む中間管理職。寄せられる嘆きの声は 概ねおなじような内容です。」
私たちには、ちょっとした環境を整えて戴ければ事業主の期待に応えることができます。そのちょっとした環境の整備、またはサポートを得ることに難渋しております。
「理解はするが、協力できない」という不思議な考えなのです。
もっと現実的な例を挙げましょう。突然、事故や病によって障害が生じた私たちには、残念なことに「退職」の2文字が突きつけられます。最近では、巧妙な配属によって、「勇退」へと追い込まれております。昨日までに培った経験は、ちょっとしたサポートで完全とまでは行かなくても、従来の仕事には対応はできます。ご存じのように日本経済は停滞しております。政府は少々の痛みを伴うことを旗印に突き進んできました。この旗印を盾に「実力主義」「リストラは当然」を誰もが口にするようになると、真っ先に犠牲になるのが障害を持った私たちなのです。 しかし、今日も障害者は職を失い、生活の糧を求めて路頭に迷っております。 こうした現実に出会うにつけ、私たち障害者自身で、私たちも日本を支える日本人の一員であることを訴えたいと想い、ここにこの組織を立ち上げることに致しました。 私たちは障害をもって働いて、困っている方がおられましたら、一緒に行動は致します。小回りの利く組織です。
それほど難しくは考えておりません。ほんの少し前までは、味噌を切らしたら隣に借りておりましたし、処理しきれない頂き物があったときには、お隣におすそわけしていた私たち日本人の姿がありましたから、できないことはないでしょう。
全国はたらく障がい者ユニオンを全面的に支援します。
働く障害者の弁護団 代表 清水 建夫
働く障害者の弁護団には、北は北海道から南は沖縄まで全国津々浦々から障害をもって働く労働者から相談が寄せられます。時々海外子会社で働く方から相談がよせられることもあります。
すぐれた労働者であるにもかかわらず、障害があるという理由のみで差別を受けたり、労働者としての権利の侵害を受けています。
全国はたらく障がい者ユニオンが結成されます。私たち弁護士はあくまでサポーターであり、働く障害者の前に立ちはだかっている障壁を取り除くのは、障害をもって働く障害者自身の力だと思います。
国連総会が採択した国際障害者年行動計画は、「ある社会がその構成員のいくらかの人々を閉め出すような場合、それは弱くもろい社会なのである。障害者は、その社会の他の者と異なったニーズを持つ特別な集団と考えるべきではなく、その通常の人間的なニーズを充たすのに特別の困難を持つ普通の市民と考えられるべきなのである」と指摘しています。障害者を閉め出す日本の社会は、この指摘の懸念どおり、弱くもろい社会と化しつつあります。障害をもつ労働者が自ら声をあげることは日本の社会の劣化をとめるためにも重要なことです。
これまで障害者ユニオンの結成が試みられましたが、現在のところ組織的に活動しているユニオンはないと思います。このユニオンは全国の障害をもって働く労働者により結成された全国唯一の組織です。
私たち弁護団は、全国はたらく障がい者ユニオンを全面的に支援し、障害者に対する差別や労働権の侵害のない社会をともに力をあわせて築く決意です。
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